概要

 通常マップにおいて都市人口をより多くすることを目標としたプレイです。シムシティ(初代SFC版) 雑多な攻略Tipsで説明したテクニックを活用していきます。ただしデバッグモードを利用し「災害なし」の設定下で行います。

 今回の目的はゲーム仕様に関する細かい知識を実際のプレイで活かしながら都市をうまく育てていく方法を確認することです。災害があると運の影響が大きくなってしまい目的を達成できない、また何より楽しくないのでこの機能に頼ることにしました。ゲームの重要要素である災害をデバッグモードという反則的な手段で抑えるわけですから正統的な「やりこみ」というより「検証プレイ」程度に思ってください。

基本計画

配置

 中央部に住宅地、その周囲に商業地、最外周に工業地、線路は直線、という教科書通りの配置にします。人口を稼ぐために工業地をできるだけ減らし代わりに住宅地と商業地を増やすようにします。住宅地の集まる場所では正しい接続を守るため商業地も適度に挟みます。

 警察署は開発過程で随時作りますが最終的にはほとんど残しません。最後まで警察が必要になるのは中心部と周縁部の境にあたる狭いエリアだけです。

方針

 重要なのは「先に商業地、後から住宅地」という手順で進めることです。商業地は一度育ってしまえば地価が下がっても崩れません。この利点を最大限に活かす展開になります。

 とはいえ漫然と開発しても上手くはいかないでしょう。

 赤:R、青:C、黄:I、紅白点:都市の中心

 このように進めても高レベルの商業地は育ちません。まず人口バランスが崩れてしまうのが問題です。需要がマイナスになりまともに成長しなくなるでしょう。また開発地点が中心から遠く離れてしまっているのも良くありません。中心による地価補正はとても大きいのでこれを活用せずにうまく育てるのは不可能です。

 ここで役に立つのが「中心点の意図的な操作」テクニックです。一時的に適当な建物(以下「ダミー」と呼ぶことにします)を作ることで都市の重心を大きく移動させることができます。更にこのダミーエリアで住宅地や工業地を育てておけばバランス問題も解決され一石二鳥です。

 灰:ダミー

 だいぶ良くはなりましたがこれでもまだ不充分でしょう。建物が増えていくにつれダミーの効果が薄れ中心点も操作しづらくなってしまうためです。

 しかしまだ大きな改善策が残されています。それがプレゼントです。適切に配置されたプレゼントの周辺では地価が大きく高まり、中心から遠く離れていても建物が最高レベルへ育つ条件を容易に満たせるようになります。つまり建設を後回しにできるのです。これで建物数を抑えたまま序盤の開発を進めることができるようになり、中心点操作はより楽になります。また高地価を確保できるということは周縁部に住宅地を建てられるという意味でもありバランス維持にも役立ちます。

 まとめると以下のような手順になります。

 オレンジ:プレゼント

 これを基本理論としつつ実際のプレイでは臨機応変に対応していきます。

細かい補足

 スタジアム、港、空港はもちろん必須です。飛行機事故を防ぐため空港には電気を通さないように。中心点操作の邪魔になるようなら移設もケチらないようにします。

 遊園地とカジノの二択はすべて無難に遊園地を選ぶようにします。このレベルになると僅かでも犯罪が増えるのはデメリットが大きいように感じたので。

 ダミーエリアで住宅地や工業地を育てるといってもそう自在にはいきません。人口バランスは常に商業地過剰のギリギリ状態になるので減税で対処します。税率0%のまま何百年も進めることもあるので破産しないように注意しなくてはいけません。序盤からプレゼントを建設し特別収入を得れば安全でしょうが、街外れに余計な建物があると中心点操作の邪魔にもなりかねないので悩ましいところです。

 高地価を狙う必要が薄い場所もあります。例えば商業地ではTOPが作れそうにない場所でHIGH-5にこだわる必要はありません。UPPER-5でも人口は同じです。手を抜いていいところでは抜きます。

プレイ記録

条件

 設定は以下のとおり。

  • 難易度は初級
  • デバッグモードの「NO DISASTERS」機能ON

 この機能をONにしても「飛行機事故(空港が稼働しているとき)」「船難破(港が稼働していて水域に建築物があるとき)」「メルトダウン(原発があるとき、上級のみ?)」は起こり得るので注意が必要です。

 また制限事項は以下のとおり。

  • 資金増殖バグ
  • プレゼント増殖バグ
  • 画面はみだしバグ
  • デバッグモードの「NO DISASTERS」以外の機能
  • 地震でわざと建物を壊すテクニック

 災害なしですから地震は起こしたくても起こせません。他の制限は当然でしょう。

プレイ記録

・マップ選択

 マップはおなじみの61番。陸地面積が全マップ中最大です。他の番号も少し検討しましたがやはりこれがベストのようです。

 スタートしたらまず適当な街をつくりシティ以上まで育て、所持金を2000ドル以下にし銀行を貰います。後からでは獲得条件を満たしにくいので早めに済ませました。他のプレゼントはいつでも大丈夫でしょう。なお「市長の家」の成長問題が気になるところですが今回は第一段階でも問題ない場所に建設することが決まっているので特別に対策はしませんでした。

 その後は黒字決算のまま放置で資金稼ぎ。災害オフなので何百年放置しても問題ありません。前述のとおり先にプレゼントを建設し特別収入を増やす手もありますが今回はやめておきました。今考えると少し心配しすぎだったかもしれません。遊園地の一つや二つ建ておいても良かった気がします。

 資金が充分に貯まったら街を全て整地し本格スタート。

・スタート~右下

 右下の島から開発開始。川で隔たれているぶんダミーの建設がしづらいため最初に完成させておくことにしました。ついでに右側の小島も。最序盤のため地価には苦労しませんが建物1つ建てるだけで激しく需要が変動するので注意します。

 建てるべきは基本的に商業地ですが、ある程度の地価が常時確保できる水辺や、将来プレゼントの影響を間接的に受けることになるエリアには住宅地も建てておき、周囲を公園で囲っておきます。

 完了。対岸に並んでいる住宅地・工業地は中心点操作というよりはバランス維持のためのダミー。

 このような手順をひたすら続けていきます。

・左上~上辺~右上~右辺

 対角線を渡り左上へ。ダミーを大量に建て中心点操作の始まりです。

 早くもTOPを諦めUPPER-5にするなど妥協。隅はやはり厳しいものがありますが、横着せずに川沿いのダミーを壊せばもっと良くなったかもしれません。

 右側に見える4つの商業地は横TOPの右半分にする予定のもの。縦TOPを作る必要はありません。

 資金の減りが想定よりきつくなってきたのでここでプレゼントを1つ建設。200ドル/年の遊園地がベストですが既に枠が埋まっており貰えないため動物園。

 住宅地のダミーが目立つようになってきました。このあたりからバランスの維持が特に厳しくなります。

 右上に到達。線路の都合上、右辺は少し変則的な配置になります。

 右辺完了。下に見えるUPPER-5はあまり妥協したくない場所ですがプレゼントを投入してもTOPにできませんでした。

バランス維持に必死だったとはいえダミーがぐちゃぐちゃ、左側にまで作ってるのはちょっと不味いですね。

・左下~左辺

 ダミーを一斉に移動させ四つ目の隅、左下に取りかかります。ここを最後にしたのは陸地が少ないぶん上手く成長できなかったとしてもダメージは小さく済むだろうと考えた結果ですが、意外と高レベルに育ってくれました。

 とはいえやはりUPPERも混じります。なおここまでくればプレゼントを建てるのに躊躇する必要はありません。

 左下完了。狭いのですぐ終わります。

 隅が終わったので左辺の広いエリアで住宅地を開発していきます。住宅地を建てるぶんには需要変動を気にする必要がないので気が楽です。

 住宅地のMIDが見えますが、この一帯は一度整地したのち建設順や配置を修正してTOPに建て直しました。そのぶん隣の商業地が割を食うことになります。

 左辺完了。ここで50万人突破しました。

・中央~完成

 マリオ像も建て、プレゼント周辺を住宅地で埋めます。これで中央部のダミーエリアが綺麗に整理できました。この時点で人口58万人ですがまだ広大な空き地が残っています。地道な積み重ねの成果を実感する瞬間です。

 いよいよ中央に住宅地を建てていきます。特に苦労せずともTOPがどんどん完成し爽快です。

 ここで70万人突破。空き地も少なくなり最後の妥協が始まります。

 ラストスパート、右側のプレゼント周辺を整理しているところで80万人突破。

 空き地がなくなったらプレゼントの一部を工業地に置き換えて僅かな人口稼ぎ。さらに温存していた埋め立てを使い最後の一押し。

 そして完成。(クリックで拡大)

 見た目的には左下の隅で住宅地の横TOPを作り損ねている点が惜しいですね。

 支持率が高くなっていますがこれはたまたまなようです。50%を割ったりもします。

 税率は0%にしないといけなくなるかと想定していたのですが1%でも需要を維持できています。黒字決算となり持続可能な都市になっています。

・細かい注釈&反省点

 見栄えのため最終的に直線線路で統一していますが、外周の工業地と商業地しか建っていないエリアは本来なら細切れ道路で充分です。

 プレゼントのうち一部を潰して一部を残すわけですが、特別収入を考えるなら銀行や市長の家は潰す側に回すほうが得です。今回は見た目の好みの問題で残しました。

 中央下部、川沿いにある商業地が欠けているのは船難破事故のせいです。駅をもらうため水中に線路を作ったのが問題でした。

 隅の工業地エリアのうちいくらかは明らかに商業地に置き換えて人口を増やすことができそうです。建設時はバランスを気にし過ぎました。

 警察署はプレゼント以外に6つ残しましたが多すぎました。どうも中段左側の2つは不要だったようです。

 結果的には遊園地を選ぶ必要はなかったようです。右下の水辺住宅地あたりで地価と犯罪値がどうなるか読めなかったのでカジノを避けたのですが。とはいえ確信が持てない場合はやはり遊園地のほうが良いでしょう。

 左下部分、博覧会と噴水の中間あたりにあるMIDの住宅地のうち1つだけは成長が不安定になってしまいました。充分な地価を満たせなかったようです。この画像はたまたまレベルが最高まで上がったときのものです。

 埋め立てを最大に活用する使い方は「TOPになれない孤立した建物の隣を埋め立ててTOPにする」(1つで800人→1920人)です。今回「埋め立て2つを使って新たなTOPを1つ作る」(2つで0人→1920人)ということをやっているので少し損をしています。計画的に進めれば前者の使い方は難しくはないはずなのになぜ最後まで温存したのか自分でもわかりません。

雑感

 中心点操作やプレゼントの効率最大化といった小技を活用することで実際のプレイでも人口を大きく伸ばせることがわかり、当初の目的は達成されました。満足の行く結果といえます。

 しかし上を目指す余地はまだまだ多いにあります。

 まず明白なのは直線線路では無駄が多すぎるということです。最高効率を狙うのであればおそらくは「線路を取り囲むように住宅地と商業地を配置」したものを基本単位とし、それを隙間なく組み合わせた都市になることでしょう。建物数にして数十、人口にして数万人単位で増やすことも可能と思われます。今回は正直そこまで突き詰めて考える根性がなかったので直線にしました。

 また工業地の数も更に減らせそうです。今回は中心点を気にするあまりプレゼントの配置を遅らせる展開にしましたがどうもこれは悪手だったように思います。先にプレゼントを建てればバランス調整がしやすくなり外周部の商業地を更に増やしていけることでしょう。最終的な税率的にも余裕がありますし。

 というか検索したら海外で91万人(!)達成している人がいて驚きました。とんでもない記録ですね。(細かい仕様が日本語版と同じなのかは分かりませんが)シムシティの奥の深さを改めて実感した次第です。

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